野菜フェスティバル

参加者はニンジン、ピーマン、カボチャ、トマト、キャベツ、ナスの6名。

ニンジン「ではただいまより野菜フェスティバルを開催します。」
ピーマン「なんでお前が仕切ってんだよ。」
ニンジン「野菜といったら私が代表だろう。」
トマト「勘違いも甚だしいね、子どもに嫌われる野菜ベスト3に必ずランクインするくせに。」
ニンジン「それならピーマンの方が苦いぞ。」
カボチャ「いやいや、この際苦さは関係ないだろう。」
ナス「じゃあ美味しさで競い合うというのですか。」
カボチャ「まぁそういうことになるな。」

ピーマン「それなら俺が1位だな、醤油で炒めた俺の美味さときたら絶品この上ないぜ。」
キャベツ「俺のロールキャベツこそ芸術の域じゃないか。」
トマト「トンカツのおまけで付いてくるような野菜がでしゃばんな。」
キャベツ「聞き捨てならない暴言だな、貴様こそ生で食うしか能がないくせに。」
トマト「何を。俺の調味料としての自由度はお前らじゃ勝負にならないぞ。」
ナス「そうですね。トマトは、ケチャップという大変影響力のある
   調味料に生まれ変われる大きい存在であることに異論の余地はありません。」
トマト「うんうん。」
ニンジン「調味料になれるかどうかなんて関係ない、今必要なのは純粋な素材その物の美味しさだ!」
ピーマン「だからそれは俺だって。」
カボチャ「私の夏の美味さは群を抜くものがあるぞ。」
キャベツ「お前はただのデカブツに過ぎん。」
ニンジン「お前らサイズは同じようなもんだろ。」

トマト「まあ俺みたいに見た目からして美味しそうじゃなきゃあな。」
ピーマン「だったら俺の目に映えるような鮮やかな緑ときたらどうだ!
     まさに自然界の恩恵そのものじゃないか。」
ナス「私のこの美しい藍色は他の野菜にはありませんよ。」
キャベツ「お前みたいに重苦しい色をしてる野菜がいるから、子どもの野菜嫌いが増えるんだよ。」
ナス「なっ、重苦しい?どこがですか?」
キャベツ「その暗い色、勘弁してくれよ。」

ニンジン「キャベツ、さっきからお前の葉っぱがバサバサうざい。」
ピーマン「俺もそう思ってた。」
カボチャ「君だけ無駄に葉っぱが多すぎるよね。」
トマト「俺なんかツルツルだぜ。」
キャベツ「失礼な、この葉っぱ一枚一枚に大切な栄養素があるんだぞ。」
ピーマン「緑黄色野菜になれるかなれないか瀬戸際の野菜が何を言う。
     俺やニンジンみたいに鮮やかな純色でなきゃ。」
ニンジン「そうそう、キャベツは外側の葉っぱしか色が濃くないしな。」
トマト「俺も完全なる緑黄色野菜だぞ。」
カボチャ「俺の眩しいような黄色は他には無いぞ。」
ナス「じゃあ私たちは色素がない、すなわち格下だとでも言うんですか?」
キャベツ「緑黄色野菜のほうがレベルが高いとは言い切れんぞ!」
ニンジン「俺たちのように緑黄色野菜なら野菜ジュースにもなれる確率が高いんだぜ。」
ナス「いや、別にそうとは限らないですよ。カボチャだってジュースにはならないわけですし。」
ピーマン「よくよく考えたら、俺も野菜ジュースの材料にはなれないな。」
トマト「ほら、やはり俺は調味料にもなるしジュースにもなるし…。」
ニンジン「南米野菜は黙ってろ。」
トマト「原産地差別する気か!?」
カボチャ「それは言いすぎだ、抑えろ。」
ピーマン「まあ俺の祖先も南アメリカ出身らしいんだけどな…。」
ナス「私はどうなんだろう。」
カボチャ「俺はカンボジアと何か関係があるのか。」
キャベツ「俺の生まれ故郷は何処だ…。」

トマト「まあ今日はこれくらいにしとこうか。」
ニンジン「ああ、さっきはすまなかった。」
ピーマン「じゃあフェスティバル終了!」
カボチャ「思い返せば何がフェスティバル(祭)だったんだ。」
ナス「同感です。」
キャベツ「俺の生まれ故郷は何処だ…。」




 
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