面接2

ロバルトロベルト大学のコンピュータ学部に通っていた「高岡信太郎」は、
勉強熱心で将来も有望と思われている学部内でも屈指の優等生であったが、
ある日授業中にトイレに71回行ってしまったことをきっかけに退学させられてしまった。

そんな高岡は気持ちを切り替え、人生のスタートを踏み出すために就職を決意する。
彼は近年世間的にも有名なIT企業「SLT」という会社の入社面接試験を受けることになった。

試験当日、彼は緊張のあまり深夜3時半に起床してしまったので、
履歴書などの持ち物を念入りにチェックし、長時間かけて身だしなみを整え家を出た。
しかし彼はこのとき、髪に整髪料ではなくバターを塗っていたことにまだ気づかなかった。

ガチャ
高岡「失礼します。」
面接官「まだ前の方の面接中でお呼びしていませんが。」
高岡「失礼しました。」
バタン

面接官「次の方どうぞ。」
ガチャ
高岡「失礼します。」
面接官「どうぞお座りになってください。」
高岡「今日はよろしくお願いいたします。」
面接官「それでは、まずお名前をお願いします。」
高岡「高岡信太郎です。」
面接官「さっそくですが高岡さん、この会社を希望した理由を聞かせてください。」
高岡「はい、私はロバルトロベルト大学コンピュータ学部だったので、
   IT関連の知識は多少身につけてきたつもりです。
   なのでその知識を少しでも生かせるようにこの会社に入ろうと思いました。」
面接官「当社以外にもたくさんIT企業はありますが、何故この会社に限定したのですか?」
高岡「俗に言うアミダくじによる結果です。」
印象−100

面接官「うちの会社の印象はどうですか。」
高岡「すごくいい匂いがしました。」
面接官「もう一度お聞きします、うちの会社の印象はどうですか。」
高岡「とても美味しかったです。」
印象−140

面接官「質問を変えます、これまでにアルバイト経験はありますか。」
高岡「腐るほどあります。」
面接官「その中で一番印象に残っているものを教えてください。」
高岡「大学に入ってすぐの頃、パソコン入力のアルバイトをしていました。」
面接官「具体的な仕事内容を聞かせてもらえますか。」
高岡「何文字以内でですか。」
面接官「それは自己判断でお願いします。」
高岡「そうですか、では暗喩と擬人法を用いてもいいですか。」
面接官「具体的内容なんですからそれは控えてください。」
高岡「なら教えません。」
印象−80

面接官「あなたは毎日整髪料をつけているんですか。」
高岡「ええ、これは…よく見たらバターですね。」
面接官「何か特殊な意図でも?」
高岡「世界政府直下暗躍機関RGMの手から逃れるためです。」
面接官「あなたは一体何者ですか。」
高岡「それは言えません、そんなことしたら組織に消されてしまいます。」
面接官「全部ウソですね。」
高岡「すいませんでした。」
印象−195

面接官「あなたが自負している長所はなんですか。」
高岡「最近は右手中指の爪が長いです。」
面接官「その長い所じゃありません。」
高岡「じゃぁ何ですか、全然言っている意味が分かりません。勘弁してください。」
面接官「あなたが自分自身を誇れる点を聞いているんです。」
高岡「ああ、そういう風に言ってくれれば分かりますよ。」
面接官「じゃぁもう一度お願いします。」
高岡「右手中指の爪です。」
印象−275

面接官「学生時代に力をいれていたことについて教えてください。」
高岡「腹筋に力を入れてました。」
面接官「その手の返答はもうくらいません。」
高岡「ふふ、じゃぁ真面目に答えてあげましょう。
   高校時代に生徒会に入って課外活動をしていたことですかね。」
面接官「一番思い出に残っていることは?」
高岡「一度も一緒に連れて行ってもらえなかったことです。」
面接官「かわいそうですね。」
印象+30

面接官「あなたがこの会社に入ってやりたいことはありますか?」
高岡「大学時代は様々な精密機器の製作を手がけていたので、
   入社した暁には新製品の開発に取り組みたいと思っています。」
面接官「ということは開発事業部志願ということですね。」
高岡「はい、そういう形でお願いします。」
面接官「具体的な製品案としては何か考えているものがありますか?」
高岡「カレーパンです。」
面接官「それならパン屋に行ってください。」
高岡「私が作りたいのは全自動カレーパンです。」
面接官「まったく意味が分かりません。」
高岡「そりゃこっちのセリフです。」
印象−488

高岡「それにしても、あなたは滑稽な顔してますね。」
印象−5000

面接官「現在のIT業界に抱いているイメージを教えてください。」
高岡「すいません、ITって何の略ですか。」
面接官「そんなことも知らずにここに来たんですか、礼儀知らずも甚だしいですね。」
高岡「甚だしいってどういう意味ですか。」
面接官「いい加減にしないとぶっ殺しますよ。」
高岡「いいえ、謝る気なんて毛頭ありません。むしろもっと調子乗ります。」
面接官「ではあなたの面接合格率が大幅に下がることになりますよ。」
高岡「好きなだけ下げてください。」
印象−14500

面接官「それでは最後になりますが、銀行の暗証番号を教えてください。」
高岡「何だお前。」
面接官の印象−200

面接官「じゃぁケータイの番号を教えてください。」
高岡「080-6755-71…。」

彼らは後に大親友になった。




 
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