カス絵本劇場

突然ですが、どうやらぼくは幼い頃から文章を書くのが好きだったらしく、
昨年の夏、6歳頃に書いたと思われる絵本を発見しました。
小学校1年生なんで、そりゃああもう稚拙極まりない文章。
まだ、自分の名前を書けるだけで喜んでしまう年齢だもの。

大学生になった今、幼い頃の自分にツッコミを入れながら、
全文紹介していきたいと思います。
ほぼ平仮名書きなので非常に読みづらく、
句読点の位置も壮絶カオスだったので、適宜修正を施しておきました。

物語の原文は青文字で書いていくことにします。
それではさっそく絵本のタイトルからスタート。

「かめのこうらのお風呂」

初っ端からかなりの想像力が必要とされてる。
いまこれを読んでる人は絵的に想像できるんだろうか。
もしできなかったらページ閉じていいよってかもう閉じてもいいよ。

あるところにかめくんがいました。
ある日かめくんが困ったなあ、と言いました。
かめくんのうちにはお風呂がないのです。

さて、少しだけ続きが気になってきたな。なんと家には風呂が無いらしい。
家賃いくらだよとかいう設定は考えてすらいないと思うので。

「困ったなあ」、かめくんは「あっ、そうだ」と言いました。
「何で今まで気がつかなかったんだろう」と、ため息をしました。

そうです、自分のこうらをお風呂にすればいいのです。
かめくんのうちにはお風呂はないけど、お湯は山ほどあります。

大量の水を常に高音状態で保持している神カメ。
「お湯の量が多い」って一体何を意図したメリットアピールなんだ。
っていうかこうら取り外し可能ってどういうことなの。

さっそく準備を始めます。
@ まずこうらをはずして、どっか空いてる所に置きます。
A そしてお湯を持ってきます。
B 最後にこうらに、お湯を入れて終わりです。
かめくんがお風呂に入ろうとすると、あっ、大事なこと忘れてた。

どうやらこうらは本当に取り外し可能らしい。
多分執筆当時のぼくは、カメはそういう生き物だと信じ込んでる。
あと、箇条書きにするほど複雑な作業ステップではない。どう見ても。
まぁ一番気になるのは、最終文の日本語の不可思議MAXな接続だけど。

こうらをお風呂に使ったら、かめくんのこうらが無くなっちゃいます。
ああどうしよう。あっ、そうだ、
こうら屋さんに行ってこうらを買ってくればいいのです。

カメが当然の事実に驚いたことに驚いた。
そしてなんと、こうらは市場に出回っている物らしい。
しかもそれを専門に扱うプロフェッショナルが存在すると。
幼いながらの想像力も甚だしいっていうかなんなんだこれは。

さっそくお風呂に入りましょう。
ぽちゃん、あぶくが出ました。ああ気持ちいい。
あまりに気持ちいいので、かめくんは寝てしまいました。
そして15分経ちました。しゅうしゅう、かめくんの身体から湯気が出てきました。

かまゆで地獄でカメ死亡のブラックエンドかとも思ったけど違うようだ。
温度いくつなんだよとかいう設定は考えてすらいないので。
そもそも、当時「℃」という単位を知ってるかどうかすら疑わしい。

あちちちち、かめくんは茹でダコになっちゃいました。
さあ出てご飯です。

そう、茹でダコ状態になったことなんてどうでもいいんだ。

今日はお漬物と、ご飯と、お味噌汁と、お煮付けです。
もぐもぐむしゃむしゃ、ああ美味しい。
お風呂上がりのご飯はとてもおいしい。

明らかに、夕食のメニューにぼくの家庭が反映されてて恥ずかしい。
でも、もうちょっとぐらいい良い食事とってたよ多分。そしてカメお前喜びすぎだ。

ああ、今日はとてもいい日だ。
夜もぐっすり寝てね、かめくん。

語り手はかめくんなのかそれとも第三者なのかわからないまま終了。

―と以上。ちゃっかり裏表紙に「1996.11.26」と書いてあった。
もう12年以上も前のことか。懐かしい。




 
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