Discussion4

設定:夏休みが明けた頃、都立TNT(時には納豆食べます)高校では、
   秋の文化祭を直前に控え、各クラスでは出し物を考案中であった。
   他のクラスが既にお化け屋敷・劇などと出し物を決め終え、
   準備段階に入って2週間ほど経ったある日、2年G組は文化祭の存在を初めて知った。
   そんな彼らは出し物を決定するために急遽臨時HRを開く。
   HR構成員は担任1名、男子21人、女子20人、そしてケニア出身のモリーである。

担任「みんなも知っているとは思うが、うちのクラスだけは今年の文化祭の存在を知らされなかった。
   これは明らかに私が皆に伝えなかったのが原因だ、すまない。
   今日はみんなにもっと私を責めてもらうためにホームルームを開いた。」
生徒A「Mかよ。」

HR委員α「じゃぁ主人公の王子役は誰にしますか?」
生徒B「いきなり話飛躍しすぎだろ、てか王子てなんだ。」
生徒C「D君なんかいいと思うけどなぁ。」
生徒D「え、ムリムリ。俺そういう柄じゃないから。」
生徒E「私もD君がいいと思う!」
生徒C「だよね!絶対一番似合ってるって!」
生徒B「え?何?ちょっと待って。何の話だよ。落ち着け俺。
    王子って何のことだ?王子?王子はプリンス。プリンス?プリンス。そう、プリンス!」
彼は混乱が限界に達したため意識を失い、保健室に運ばれた。

生徒F「俺はFに王子役やってもらいたいな。」
生徒G「自薦じゃん。」

生徒H「映画なんかどう?撮影したら当日は上映するだけで済むんじゃない?」
生徒I「それじゃぁ当日の楽しみがなくなるよ。」
生徒J「正直、文化祭なんてだるいんだけど。」
生徒H「J君みたいのがいるからクラスがまとまらないんじゃない!」
生徒J「いや、キレることないだろ。」
担任「怒るなら私にしてくれ!」
生徒K「またMかよ。」

HR委員β「では多数決の結果、僕の5年前からの予想通り、劇になりました。」
生徒L「お前今日まで何やってたんだ。」
生徒M「じゃぁストーリー決めようよ。さっきの王子とかだけじゃ物語が漠然としすぎてない?」
生徒N「それは俺も思った、王子モノならそこから話し合わないとな。」
モリー「サグレットニャマチョマプレスィ、ツェケムニーッッツパ!」
生徒E「ところで誰だよこいつ。」
モリー「チョ、オマウェイオルェーヲナメッテェーノ!?」
生徒O「限りなく日本語に聞こえるけどな。」

生徒P「実際にある本のストーリーを劇にしちゃうってのはどう?」
生徒B「でもそういうのって著作権の問題はないのか?」
生徒Q「それもそうだね。」
生徒R「でもいいとアイディアだと思うよ、著作権侵害ってのは。」
生徒S「論点はずしすぎ。」

HR委員α「では実際にある本を題材にして劇をすることに決定します。
      次に、どんな本を題材にするのかを話し合ってもらいます。」
生徒F「タウンページ!」
生徒T「お前早退していいよ。」

生徒A「去年流行った『枕草子』なんかは?」
生徒U「とりあえずお前は生年月日確かめてこい。」
生徒F「じゃぁずいぶん前からロングセラーのタウンページは?」
生徒C「お前は早く早退しろ。」
生徒F「じゃぁずいぶん前からタウンページのロングセラーは?」
彼は強制早退させられたのち、何故か退学処分となった。

生徒M「ディズニー系とかならみんな知ってるんじゃない?」
生徒V「あぁ、いいんじゃないかそれ。もともと絵本だから観る人にも伝わりやすそうだし。」
生徒D「少しアレンジを加えるってのはどうだ?」
生徒O「それもいいね、102匹のワンちゃんとかイケそう。」
生徒D「イケねーよ。1匹増やしたとこで何が変わんだよ。」
生徒I「美女と野獣なんかはヒロインが冴えると思うけど…アレンジが難しいかな。」
生徒O「102組の美女と野獣ってとこか。」
生徒L「キャスト200人超えとか不可能。」

社長「キミたち、お菓子っていうのは心のオアシスなんだよ。」
生徒W「お前、Discussion2の登場人物だろ。」
生徒E「あ、そういえばこんなのいたよね。」
生徒K「スーパーKY、場違いすぎる。いつも通り退出していいよ。」
社長「こりゃ失礼。」
バタン

議論は白熱し、7時間にも及んだ。
HR委員β「決定です。ぼくらのクラスが行う劇は『不思議の国の101匹ライオンキングと野獣』になりました。」
生徒P「究極にカオスな作品に収まったな。」
生徒X「ライオンに加えて、野獣とかどんな激しい内容になるんだ。」
生徒M「結局、キャスト数の考慮全くしてないよね。」
生徒L「俺たち、7時間も何話してたんだろうな。」
彼らの困難は続く。

生徒O「はい、質問!」
担任「では出席をとりまーす、渡辺!」
生徒Q「さすがの意味不明加減。しかも何で後ろから呼ぶの。」
生徒G「お前、よく教職員免許取れたな。」
HR委員α「はい、改めて、質問内容をどうぞ。」
生徒O「作品はそれでいいとして、主人公はどのキャラクターになったの?」
生徒N「題名からすると、ライオンキングと野獣だよな。」
生徒R「普通ヒーロー&ヒロインなんだろうけど、これじゃぁヒロイン無理じゃない?」
生徒C「野獣はアレだから、ライオン役やりたい女子がいるかどうかだよな。」
生徒N「誰かいる?ライオン役やりたい人?」
生徒M「あ、私やりたい!」
生徒D「おぉ立候補いたよ、他にもいる?」
生徒E「じゃぁあたし2匹目やるー。」
生徒Y「私3匹目!」
生徒L「101人必要なのすっかり忘れてたぜ。」

HR委員β「では、Mさんに57匹分のライオン。Eさんに25匹分のライオン。
      Yさんに19匹分のライオンをやってもらうことにします。」
生徒V「強引な決定にも限度ってものがあるよな。」
生徒U「いったいどうやって同時に演じるのか気になる。」

生徒M「ねぇねぇ、どっちか2人さぁ、6匹分くらいもらってくれない?」
生徒Y「え、じゃぁあたしにちょうだい!」
生徒M「オッケー☆。じゃぁ今夜メールに添付して送るね!」
生徒K「お前らなぜ理解しあえてるんだ。」

生徒I「音響とかはどうするの?」
生徒T「任せろって、俺の声をみくびるなよ。」
生徒R「この上ないスーパー便利人間がいたな。」
生徒I「じゃぁライオンの吼える声出してみてよ。」
生徒T「あ、実はさ、気になってたんだけど。ライオンって何?」
生徒W「出た、よく使われる突然無知になるネタ。」
生徒G「初代Discussionでも面接でも使われたよね。」
生徒S「いい加減にしろよ作者。」
作者「ごめん。勘弁して。」

HR委員α「ヒーローとなる野獣役は、P君に決定しました。みなさん、爆笑。」
生徒P「超ショックなんだけど。」

HR委員α「残りのキャストは、また後日決めることにします。
      今日は最後に、大道具と小道具をやってくれる人を決めて解散とします。」
生徒H「じゃぁあたしが当日大道具の台詞やるよ。」
生徒L「お前、もう一度話し合う内容ちゃんと確認してこい。」
生徒A「大道具って言うと、ライオンの着ぐるみとか?」
生徒N「あー、着ぐるみでやるとなるとコストが半端なさそうだな。」
生徒O「そんなわけで先生、アフリカ行って本物獲ってきてください。」
担任「わかった。もっとコキ使って。ぜひ。」
Mな彼は急遽帰宅して飛行機の手配を開始した。

生徒C「ステージの背景とかはどうしようか。」
生徒Q「うーん、背景まで付けるとなると…結構時間かかるよ?」
モリー「ナラ、オレノジッカコイヨ。」
生徒X「お前まだいたのかよ。」
生徒S「あ、この人の実家行けば、ライオンのこととかも参考になるよきっと。」
モリー「ダカラソウダッテイッテルダロ、カス。」
生徒M「それにしてもこの人日本語上手いね。」
生徒U「とりあえず、あの謎担任に連絡とってみよう。」

数時間後
担任「さあ行くぞみんな!いざ、劇のクオリティを求めにケニアへ!」
全員「イエッサー!」

もちろん2年G組は文化祭に間に合わなかった。




 
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