Discussion3

設定:この不況の世の中で窮地に追い込まれたゲーム企業「BONOBO」は最終勝負に出る。
   近年急激な進化を遂げている家庭用ゲーム機の新ハード・ソフトウェア開発である。
   その新製品について意見を交し合うため、急遽臨時幹部会議を開いた。
   会議構成員は社員A・B・C・D、そして課長、部長、社長である。

社長「では早速会議を始めたいと思う、君、説明を頼むよ。」
部長「えー社員諸君、よく聞いてくれ。
   近年では他社から携帯用ゲーム機の新しいハードが続々出ているが、
   その中でもとりわけ注目が集まっているのは、S社の『PSSP』、そしてN社の『NINDENTO−DS』だ。
   両機ともにグラフィック・機能において最高峰の機能を備えている。
   我が社もこれに対抗して、『BONDENTO−BS』というハードを来春から発売する予定になった。」
社員A「誰がどう見てもパクリじゃないですか。」
社員B「やる気あんのかよじじい。」
社員C「まあまあ。部長、とりあえずBSの特徴を教えてくださいよ。」
部長「充電に47時間、連続プレイ可能時間は2分。」
社員D「死にたいらしいな。」
社員C「他には?」
部長「弁当箱としても活用できる。」
社員D「みんな、俺がこいつを始末しておくよ。」

課長「部長、DSというのは『ダブルスクリーン』の略のようですけれども
   我が社のBSには何か意味があるのですか。」
部長「ぶっちぎりで水酸化ナトリウムの略だ。」
社員B「次は俺が殺るよ。」

社員C「我が社がこのハードを発売するのと同時に発売するソフトはもう決まっていますか?」
課長「それには私が答えよう、こちらに資料がある。
   来春4月に発売予定のソフトは…、本格RPG『下水道の冒険』、
   レース『ダチョウに乗って』、戦略シミュレーション『二十三国志』の3本だ。」
社員A「揃いも揃ってつまらなさを極めたようなソフトばっかだな。」
社員B「課長、我が社の目指す企業コンセプトは?」
課長「自主・自立を掲げた思いやりのある人になろう。」
社員D「学校かよ。」

社長「もうちょっと喋らせてよ。」
社員ABCD「だめ。」

社員A「えーここで私から。どのようなユーザーを対象にしたソフトが
    今後目をつけられるかについて、皆さんの意見を伺いたいのですが。」
社員B「最近は脳年齢を計るゲームを中心に、ユーザーが数年前とは違い大人へと移行してきていますから、
    我が社もその波に乗ったらどうでしょうか。」
社員D「サーフィングゲームですね。」
社員C「彼は全く今の会話を理解できていません。」
社員B「確かにユーザーがもはや子どもだけでなくなってきていることは事実です。
    ですからその移り変わりも考慮して、今後はカブトムシをユーザーに経営を進めればいいと思います。」
社員A「まったく考慮できてねーよ。」
社員B「足が6本もあるのでコントローラーには十字キーを3つ近く付けられます。」
部長「採用しよう。」
社員D「まじかよ。」

社員A「私にアメリカ産牛肉輸入の規制強化について良い意見があります。」
社員C「今そんな話してません。」
社員A「今後の日米関係を左右する大問題です、聞いておいて損はnothingです。」
社員D「まあ時にはある程度の脱線も必要でしょう…手短にお願いしますよ。」
社員A「やっぱいいです。」
社員Aは告訴された。

社員B「生きる喜びをください。」
社員D「うるさい。」

課長「では本日2つ目の議題に移りたいと思う。自由意見でかまわないのだが、
   今後ゲームを販売するに当たって、何か新しい傾向のジャンルを提案してもらいたい。」
社員D「3次関数の極値を求める系はどうでしょう。」
社員C「ジャンルの分類が困難です。」
社員D「なら奥の手を使います、4次関数です。」
社員C「二度と口を開かないで下さい。」

部長「諸君、私としてはもうちょっと詳細を含めながら意見を出してほしいところだ。」
社員B「ちょうどいいアイディアが、私の大脳のこの辺りに浮かびました。」
社員C「よく分かりませんがどうぞ。」
社員B「プレイヤー自身を投影させた登場人物に空想上の世界を冒険、あるいは探索をさせ、
    与えられた試練を乗り越えながら設定された目的を達する、
    という空前絶後のジャンルなら確実にイケます。」
社員A「それはロールプレイングゲームですね。」
社員B「その通り。」
社員Bは1週間の呼吸停止を命じられた。

社員A「先日どこかで見かけたんですが、リラクゼーション系のゲームで、
    自分が南国などの観光地へ足を運べる感覚のゲームがあるそうですよ。」
社員D「それはどのようなシステムによるものですか。」
社員A「解像度の高さを活かして、画面上にハワイなど観光地の景色が鮮明に映し出され、
    加えて砂浜の音が聞こえたりするという風に聞いています。」
課長「なるほど…それをヒントに、もっと旅行しているような感覚を味わえるゲームを、というわけか。」
社員A「ええ、液晶とは言っても今の技術ならそれは十分に可能だと思いますが。」
社員B「現代社会はストレスで溢れていますからね。サラリーマンを中心にヒットしそうですよ。」
社員C「社長はこの案についてどのようにお考えですか。」
社長「…え?あっごめん、聞いてなかったからもう一回言って。」
社員D「彼は死を望んでいるそうです。」
社員B「久々に口を開いたと思えば…なんて野郎だ。」
社員C「みんなで協力すればきっと上手くいきますよ。」
社員A「それでは今夜部長暗殺プロジェクトを実施します。」
部長「Pardon ?」

数時間が経過した
課長「では本日最後の議題だ。今後も、新しいハードウェアの開発で他社も必死になるのは必然的だろう。
   そこで、ユーザーがハードに望む機能としてはどのようなものがあるか、
   またどのような機能ならユーザーの心をつかむことができるかということを考えてもらいたい。」
社員D「んなの簡単だろ、奴らが望んでいるのは…愛だよ。」
社員B「お前なんなんだ。」
社員D「キョッキョッキョキョッ!」

部長「現在では携帯用ハードにインターネット機能、
   テレビ用ハードにはDVD録画・再生機能などが一般的だな。」
社員C「ふふ、携帯用には温度計、テレビ用には蚊取り線香機能で決定でしょう。」
社員A「要らねーよそんな機能。」
社員C「それなら携帯用には電子レンジ、テレビ用には洗濯機機能で決定でしょう。」
社員B「わけわかんねーよ。」
社員C「決定でしょう。」
社員D「黙れ。」

部長「それではこれにて本日の会議は終了することとする。
   あまり内容の濃い議論とは言い難かったが、得るものはあったはずだ。
   各自今日話し合った内容を吟味しておくように。」
社員B「社長、最後に1つお聞きしたいんですけれども、
    我が社の昨年のゲーム事業における売り高を教えてください。」
社長「1500円だ。」
社員C「おこづかいかっ。」

解散。




 
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