大学入試センター試験

正式名称「大学入学者選抜センター試験」。
大学受験を控える学生たちの前に立ちはだかる関門である。
某都立高校3年生の竹内航は、時間に余裕をもって家を出たはいいが
誤って全力で富士急ハイランドへ向かっていた。
しかし彼は自慢の足の速さで東京へ戻り、なんとか無事に試験会場にたどり着くことができた。

試験開始15分前になった、試験監督が試験中の諸注意を説明を始めるらしい。
航の教室の試験監督は誰がなんと言おうとパンダにしか見えない。
横に付き添っている細身の女性は、どこからどう見たってオカマであり、
何故か右耳だけにピアスを床に着くほどたくさん付けていた。

試験官「これから○○○の試験を始めます。
    この教科を受験しない人、今朝味噌汁を飲まなかった人は退出してください。
    食パンを朝食に食べてきた人は今後の2次試験もろとも受験資格を剥奪します。」
航「コーンフレークだったんだけど。」

試験官「机の上に置いていいものはH・HB・Fの黒鉛筆、消しゴム、受験票、眼鏡、そしておにぎりです。」
航「食っていいのか。」
試験官「ただし具は焼きタラコ以外は認めません、生であった場合は監督者が本人の了解を得ずに食べつくします。」
航「なぜ。」

試験官「コート類を顔に巻いたままでも差し支えありません。」
航「差し支えまくるだろ。」
試験官「ティッシュペーパーを使う場合は、中身だけを取出してそれをかばんにしまってください。」
航「それじゃ多分使えない。」
試験官「ティッシュを使ってはいけません。」
航「理解不能。」

試験官「これから、ゲームオーバーまで退室は認めません。」
航「なにそれ。」
試験官「画面下の数字が100%を超えると、ステージ外に飛ぶ確率が高いので十分注意してください。」
航「スマブラかよ。」

試験官「試験中の発病またはトイレ等やむをえない場合は、手を挙げて監督者の父に従ってください。」
航「いつ登場した。」
父親「どうも、父の孝浩です。自営業やってます。」
航「帰れ。」

試験官「時計はアラームの設定を解除し、携帯電話は電源を切ってかばんの中にしまってください。
    マナーモードに設定していても駄目です、電源を入れてください。」
航「作業が元に戻ったぞ。」
試験官「試験中に携帯電話が鳴った場合は、試験官が本人の了解を得ずにデータフォルダをのぞきます。」
航「ちょっとちょっと。」
試験官「これから試験官が回って、受験番号と携帯のロックフォルダの暗証番号を尋ねます。
    万が一偽って教えた場合は、27・28日の全科目追試験を強制します。」
航「理不尽な再試験に加えて全科目とか鬼かよ。」

試験官「試験中、他の受験者の解答を見るなどの不正行為があった場合は、
    その度胸をたたえ、試験室内の自由行動を許可します。」
航「まじか。」
試験官「なお、鉛筆の握り方をわずかでも変えた場合は退出を強制します。」
航「それリアルに厳しい。」
試験官「ペン回しは1回転につき3点減点とします。すなわちスリーポイントシュートです。」
航「要らない。その最後のバスケ的説明。」
試験官「突っ込みどころが違います。」
航「!」

試験官「それでは問題冊子と解答用紙を配布します。
    配布された際に面白いリアクションをしなかった者は、
    試験官が本人の了解を得ずに鉛筆の芯を全部折ります。」
航「どうでもいいけど了解得なさすぎだ。」

試験官「まだ問題用紙と解答用紙が手元にない人はいませんか。
    ない方がいましたら両手を高く挙げて、ハートマークを作ってください。」
航「なぜ、ラヴ。」
試験官「返事はメールでも…いい?」
航「消えろ。」

試験官「ではこれから解答用紙の受験番号・解答科目等の記入に移ります。
    まず解答用紙左側の受験票に鉛筆を見てマーク欄を記入し、下の数字を受験番号してください。」
航「日本語しゃべれ。」
試験官「受験番号が正しく記入されていも、出たサイコロの目によっては採点しないことがあります。」
航「ちゃんと仕事しろよ。」
試験官「採点はしません。」
航「調子乗りすぎ。」

試験官「次に、試験場コードと氏名を記入してください。
    フリガナは全員『たけうちわたる』に統一してください。」
航「統一する意味がわからない、ていうか何で俺の名前に限定かつ公表だよ。」
試験官「次に、右上の所定欄の解答科目をマークしてください。
    解答科目がマークされていない場合、または複数科目にマークされている場合は、
    50点となりますので十分注意してください。」
航「微妙、それじゃ記入しないやつ出てきちゃう。」

試験官「記入が終わりましたら、試験開始まで問題用紙表に書いてある注意事項をよく読んでください。
    『解答はじめ』の合図があるまで、指定された金額を事前に納入した者以外は中をのぞいてはいけません。」
航「賄賂MAX。」
試験官「『解答やめ』という指示があったら、すみやかに鉛筆を置いてください。」
航「さて、あと10分弱ってとこか。」

9分後

試験官「解答やめ!」
航「そんな流れな気がしたよ。」




 
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